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エージェントを継続的に改善するデータフライホイール

この章では、評価(eval)と可観測性(observability)から始まる、エージェント改善のデータフライホイールを見ます。エージェントを動かして終わりにせず、実行の記録を集め、そこから学び、次の実験に反映する流れです。

フライホイールとは何か

ここでいうフライホイールは、何度も回す改善の流れです。話者は、最初のエージェントを実行し、その結果をデータとして集め、整理してから実験するレシピを示します。実験で得た変更は、再びエージェントに戻します。

  1. エージェントを作り、タスクを実行します。
  2. 実行のトレース(trace)を集めます。トレースは、モデルとのやり取りやツールの実行など、1回の実行で起きたことの記録です。
  3. 実験に使えるようにトレースを選び、整理します。話では整理の具体的なラベル付け手順までは示されていません。
  4. 変更を試し、その結果を評価します。
  5. 学んだことを、モデル、コンテキスト、またはハーネスに反映します。

図:最初のエージェントを実行し、トレースを集めて整理し、そのデータで実験するという、継続改善の手順を示しています。

このスライドは、話者が説明するレシピを4段階の流れとして見せています。最初のエージェントを実行する段階から始まり、トレースの収集と整理を経て、そのデータを使った実験へ進みます。図は手順の大枠を支えますが、トレースの詳しい整理方法や実験結果までは示していません。

トレースにフィードバックを重ねる

トレースを集めるだけでは、改善点は決まりません。どの実行がよく、どの実行に問題があったかというフィードバックが必要です。話者は、フィードバックの入口を大きく2つに分けています。

  • 実際の環境やユーザーから得るフィードバック
  • トレースを読んで作る合成フィードバック(synthetic feedback)

ユーザーからのフィードバック

ユーザーは、いつも明示的な「よいね」や「よくないね」のボタンを押すとは限りません。それでも、結果の見せ方を注意深く設計すれば、ユーザーの反応から役立つ情報を得られることがあります。これは、画面の設計(UX)がフィードバックを引き出す仕組みになる、という意味です。ここでの具体的な画面例は、話では詳しく指定されていません。

オンライン評価者による合成フィードバック

もう1つは、トレースをオンライン評価者(online evaluator)に判定させる方法です。評価者は、評価されるエージェントそのものではありません。別の強いモデル、別の小さなモデル、またはコードが、トレースを調べて判定を返します。つまり、別のLLMやエージェントを判定役にしても、その判定役と元のエージェントは別の役割です。

  • すべてのトレースを強いモデルで判定する方法
  • テストに合わせて、微調整した小さなモデルや、プロンプトを与えた既製モデルで判定する方法
  • 判定規則が明確なら、コードで判定する方法

強いモデルをすべてのトレースに使うと、判定の質を期待できます。しかし、費用が高くなり、処理も遅くなりやすいです。小さなモデルやコードを使えば、速さと費用を改善できる可能性があります。どれを選ぶかは、テストに必要な判定の質、速さ、費用のバランスで決まります。話者は、すべてのテストに同じ評価者を使うとは言っていません。

何を改善するのか

フィードバックと評価の結果を見て、改善する場所は1つとは限りません。

  • ハーネスを改善する:ツールの扱い、手順、制御の仕方などを変えます。
  • モデルを微調整する:同じ種類の仕事に、モデルがよりよく対応できるようにします。
  • コンテキストを更新する:メモリーを通じて、次の実行で使う情報を変えます。

この3つは別の介入方法です。たとえば、必要な情報がコンテキストに入っていないなら、まずメモリーやハーネスを見直すべきかもしれません。モデルの能力が問題なら、モデルの変更や微調整を試すことになります。ただし、評価結果だけでは原因は決まりません。トレースを調べ、どの変更を次に実験するかを考えます。

なぜ自動化が必要なのか

実行、トレースの収集と整理、評価、変更、再実行をすべて人手で行うと、難しく時間もかかります。話者は、この一連の作業を自動化する方向として、次のEngineのデモにつなげます。ここでのフライホイールは、変更するたびに必ず性能が上がるという保証ではありません。測定してから調整し、結果をまた確認するための仕組みです。

補足:話では、チームメンバーのスライドとHarveyを使った実験にも触れます。しかし、ここで使われたデータセット、評価結果、細かな評価者のプロンプトは、この資料にはありません。そのため、この章では具体的な数値や特定のモデル名を追加していません。

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