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20:05 - 21:18

提案:オントロジーを推論し、その後でエージェントを動かす

この講演の最後の提案は、LLMエージェントにすぐ行動させるのではなく、まずオントロジーに基づく推論器(reasoner)で提案を確認することです。推論器は、ドメインの概念、関係、制約を使って、LLMの出力がその領域で筋の通ったものかを調べます。その後で、問題がなければエージェントを先へ進めます。

三つの役割を分ける

話者が示す役割分担は、次のようになります。確率的なLLMエージェントは、自然言語を生成し、次に使うツールやそのパラメーターを提案します。ツールは、外部の情報を返したり、実際の処理を行ったりします。そして、オントロジーに基づく推論器が、提案やツールの結果をドメインのルールと照らし合わせます。

  • エージェント:問題を解釈し、応答や行動の案を作ります。
  • ツール:エージェントの案に応じて、情報を取得したり処理を実行したりします。
  • 推論器:結果に含まれる型、関係、制約が、オントロジーと矛盾しないかを確認します。

RDFSとOWLは何を支えるのか

この推論を支える技術として、話者はRDFSとOWLを挙げます。前に出てきたRDFSでは、関係のドメインとレンジから、エンティティの型を導けます。たとえば「Bob teaches Scooter」という文から、関係の定義に従って、Bobを教師、さらに人だと推論し、Scooterを学生だと推論できます。OWLは、関係の推移性や一つの値しか許さない性質、互いに両立しないクラス、許可された値の範囲などを表すために使われます。つまり、RDFSとOWLは、グラフに書かれた事実をただ保存するだけでなく、確認に使える型や制約を与えます。

この仕組みをエージェント・ループに入れると、流れは次のようになります。エージェントがツールの呼び出しを提案し、プログラムがツールを実行します。返ってきた情報を推論器が読める形にして、オントロジーを使って確認します。結果が妥当ならループを続けます。妥当でなければ、問題を伝えてLLMに戻すか、人間に確認を求めます。この確認が、エージェントを「正直に」保ち、道から外れないようにするためのガードレールです。

ここでいうガードレールは、LLMが誤りを一度も出さないという保証ではありません。LLMは確率的に次の言葉や行動案を作るため、誤った案を出す可能性があります。推論器の役割は、その案をドメインの知識と照合し、受け入れるか、やり直すか、人間へ渡すかを決めるための根拠を与えることです。したがって、提案の中心はLLMをオントロジーに置き換えることではなく、柔軟な生成と形式的な確認を組み合わせることです。

例(補足):注文を処理するエージェントが、ツールを使って返金を提案したとします。エージェントは返金の文章やパラメーターを作れますが、そのままデータベースを変更させる必要はありません。推論器が、注文との関係や返金に関する制約を確認します。確認に失敗したときは、エージェントに再提案させるか、人間が判断します。この例は、講演の提案を具体化したものです。特定の実装や、すべての注文システムに共通する規則を示すものではありません。

「勝ち負けではなく、作るだけ」

話者は最後に、冒頭で紹介した「勝ちも失敗もなく、作るだけ」という考えに戻ります。ここでの実践的な意味は、エージェントとオントロジーを実際に作り、動きを観察し、予想外の結果から学ぶことです。推論器が問題を見つけた場合も、それはシステムを改善するための材料になります。作って、確認して、必要なら直すという反復が、この提案を学習と開発の両方につなげます。

技術的なまとめの後、話者は連絡先とウェブサイトの情報を案内して講演を終えます。これらは講演の終了情報であり、エージェントとオントロジーを組み合わせる仕組みを支える技術的な根拠ではありません。

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