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企業の業務を表現し、出力の質を高める

この章では、JD Pruittが説明するFDEエージェントの土台を見ます。ポイントは、会社の働き方を一つのまとまった表現にすることです。そのうえで、モデルがその情報から、詳しすぎず、重要な点を外さない業務フローを作れるようにします。

会社の働き方を一つの基準で表す

話者がいう「単一の正しい基準(single source of truth)」は、必ず一つのデータベースや一つの文書にすべてを入れるという意味ではありません。会社がどの部署で、誰が、どの順番で、どの仕事に依存して動くのかを、矛盾の少ない形で表すという意味です。これを作ると、エージェントは個別のメモや資料をばらばらに読むのではなく、会社の動きの関係をたどれます。

大切なのはグラフの考え方であり、保存技術ではない

JDは、この表現に依存関係グラフ(dependency graph)を使うと説明します。依存関係グラフは、仕事や人などの要素を点として、ある要素が別の要素を待つ関係を矢印で表します。ここで本当に大切なのは、この関係をグラフとして表現することです。実装にグラフデータベースを使うか、Postgresのような別の保存技術を使うかは、中心的な問題ではないと話しています。

例:承認の順番を表す

説明を単純にすると、次のような関係です。

  • Aが承認します。
  • Bも承認します。
  • Cは、AとBの両方が終わるまで動きません。

この場合、単なる担当者の一覧では、Cが待つ条件は見えません。グラフなら、AからCへ、BからCへ矢印を置くことで、Cの前提を表せます。つまり、グラフは「誰がいるか」だけでなく、「どの仕事がどの仕事を可能にするか」を表現します。

話者は、業務フローの多くは直線的に進む一方で、依存関係や循環も含むと説明します。さらに、DAG(有向非巡回グラフ)の違反にも触れます。ただし、資料では、ここでいう循環とDAGの関係や、実際にどの構造を採用するのかを詳しく定義していません。そのため、特定のデータ構造や設計方法まで確定した説明として読むべきではありません。

図:スライド「Building The Agent」は、会社の業務を依存関係グラフで表し、そこからモデルの学習と展開へ進む三つの段階を示しています。左側の図では、要素どうしの前提関係が矢印で見えるため、単なる資料の集合ではなく、業務のつながりを扱うという考え方が伝わります。これは、話者が説明したシステム構築の全体像を示す図です。

正しい情報だけでなく、使える出力を作る

依存関係を表せても、モデルの出力がそのまま役立つとは限りません。JDが説明する最初のモデル課題は、メモや文書などの文脈から、正規化された業務フロー(normalized process flow)や分析を作ることです。ここでの正規化とは、表現の違う情報を整理し、誰が何をするか、どの順番か、何が前提かを追いやすい形にすることです。

話者によると、一般的な最先端モデル(frontier model)に大量の情報を与えるだけでは、出力が長くなりすぎることがあります。情報量が多くても、顧客が本当に気にしている点を選べなければ、実務では使いにくい出力です。反対に、細部をすべて捨てればよいわけでもありません。必要な詳細を残しながら、重要な点を明確にする必要があります。

JDはこの違いを、優れたコンサルタントとの比較で説明します。コンサルタントは、相手が重視する情報と、簡単に扱える情報を区別します。モデルにも同じような選択性を持たせたい、という考えです。ただし、話者は、その判断をどのデータや仕組みで表すのかまでは説明していません。したがって、これは目標の説明であり、完成した評価方法の提示ではありません。

そのためチームは、オープンソースモデルを追加学習(post-training)し、詳細さと分かりやすさのバランスを取ろうとしています。目的は、もっと長い文章を出すことではありません。会社の文脈から、実際の仕事に忠実で、読み手が使えるフローを安定して作ることです。学習データ、正確なモデル、評価指標などの詳細は、この説明では示されていません。

次の課題は、必要な文脈を見つけること

ここまでの課題は、与えられた文脈を、質のよい業務フローに変換することでした。しかし会社全体のグラフが大きくなると、そもそも質問に関係する部分を正しく取り出さなければなりません。次の章では、知識グラフをたどって必要な文脈を検索する方法と、その検索を支える学習について扱います。

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